可変ピッチグラニューレータ

グラニュレータは2本の筒(ロール)に多数の刃が刻まれていて、それらのロールを互いに逆方向に回転させて、物体が引き込み、刃で挟んで「割る」装置。

1回では目的とする粒度が得られないので、刃の間隔が異なるロールを複数用意した多段の構成が一般的です。

また、最終的に得られる粒度を変更するにはロールを取り替える必要があります。

原理的には得られる粒度が非常に揃って微粉が極めて少なく優れた装置ですが、主に工業用として使用されていて、大きくて家庭用にはなり得ません。

そこで、小型化を図るために、可変ピッチグラニュレータを考えてみました。
すでにどこかにあるかもしれませんが、おそらくこの様な構成になると思います。

可変ピッチグラニュレータ

図の上部の丸いものは回転刃で、赤い部分は「片持ち支持バネ」。
回転刃を打ち抜いて作る。刃は2種類あって、バネの位置が45度異なる。
この回転刃とバネを一体化したところが「可変ピッチグラニュレータ」の核心部分。
左の青い調整ダイヤルを動かすと、ベアリングが2つ埋め込まれた薄赤色のプランジャーが左右に動いて刃の間隔(ピッチ)を調整できます。
ピッチが決まったら、右の青い駆動用ホイールを使って上下の刃を互いに逆方向に回転させます。豆はこの上下の刃に引き込まれて割られます。

実際には、この可変グラニュレータ単独ではコーヒー豆を砕くことはできず、前段に大まかに豆を砕くための固定刃が必要で、最低でも2段構成となると思います。また図では片刃ですが、両刃の方が良いかもしれません。

話は変わりますが、日本のトップバリスタを3人も起用して宣伝している高性能な小型のコーヒーミルがあります。価格は4万円ほどです。製造元は台湾のメーカーです。
「いいものはどこで作られようが構わない」というのは建前で、本音をいえば悔しい。

同等かあるいはそれ以上に高性能な製品を国内で作れないはずがありません。作れても上手に売る手立てがないのでしょう。ちょっと悔しいです。


まあ、同じものを作っても最後は価格競争となるかもしれません。だとしたら全く新しい仕組みの製品を作るという方向があってもいいと思います。

もし新しい仕組みのグラインダー(ミル)を作るなら、この可変ピッチグラニュレータに可能性があるかもしれません。