正しい抽出温度 浅高深低

抽出温度で香味は大きく変わります。

一般に、高い温度で抽出すれば苦味が強調され、低い温度で抽出すれば苦味が抑えられます。低すぎると十分な濃度が得られません。

豆の焙煎の深さにふさわしい抽出温度があります。

浅炒りの豆は酸味が強く苦味が少ないため、一般には高い温度で抽出します。こうすることで相対的に酸味と苦味のバランスが取れます。充分な高さの温度がないと酸味が強調された抽出となります。

また浅煎りの豆は膨らみが少ないので、膨らみを促すためにも高温のお湯が適しています。

浅炒りの抽出に慣れた人がそのやりかたをそのままま深炒りで行っても正しい抽出とはなりません。苦味だけで充分な香味のない抜けた味になります。

深炒りの豆は浅炒りに比べガスがよく出ますのでよく膨らみます。高い温度で抽出すると、粉と粉との間隔が広がりすぎます。ときには大きな泡が発生し結果としてその部分がお湯の通り道になってしまいます。結果として充分な抽出ができないままお湯が落下します。

深炒りの豆は比較的低い温度で苦味を抑えつつ、充分な濃度が得られるように粉の膨らみ具合に気を配って浅炒りの場合よりもゆっくりと抽出すべきです。

当店の豆の多くは「中深炒り」です。この炒り加減は酸味と苦味のバランスがよくケーキやクッキーに合う焙煎度合いです。オススメの抽出温度は82度です。